社長のブログ
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2015年05月08日
断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 記事詳細
(前回からの続きです。)

だんだん際どいタイトルになってきました。
「断熱処理」を謳い文句にしている弊社として、こんなタイトルはダメでしょう。
ですが、勘違いを直しましょう。
断熱処理を、バンコンを中心に実験・検討した結果を元に、感覚的なまとめをしてみました。

まず一つ目の勘違いは、断熱効果をひとくくりにしてませんか?
季節が冬と夏では、全く意味合いが違ってくるという事です。
専門誌でも時々ごちゃ混ぜ記事として取り扱い気味ですが、バンコンの場合、一般的にいう「断熱処理」は「寒さ対策」に効果があります。よく「◯◯断熱」とか表示しているものがそれです。(◯◯の中には、「北国」とか「北海道」や「雪国」とかを入れてください。)

ところが、「寒さ対策」だけなら意外と簡単で(すみません)、「FF式燃焼ヒーター」などの設置でほとんど対応が可能です(でも高額ですけどね)。
電源確保できない場所などにおいてエンジン停止して「暖を取る必要のある寒冷期(真冬とか)に車中泊する」には、ほぼ「必需品」的装備です。
そうなると「断熱処理の効果」は、その「ヒーターの要・不要」ではなく、「ヒーターの強弱・燃焼の大小」の為なのですよ。あれ、そうなんですか、、、。
そして、夏の暑さ対策です。
前回も書きましたが、これはかなり大変で、簡単ではありません。
何故なら「冷房(クーラー)」は、大きな電気エネルギーを必要とするからです。
冷却している場合の「断熱処理の効果」ですが、その冷房能力の「効き具合」に大きく影響します。
一方「強制冷却」をしていない場合、「断熱処理」は車内を熱する太陽熱の削減の働きをしますが、でも「熱線」は少しづつ車内に到達してしまうので、結局車内温度は段々上がっていきます。
その結果ある時点で「断熱処理」が「保温効果」となってしまい、締め切った車内は「他より暑い事」になってしまいます。
弊社では、実車による何度かの温度測定をした結果からも、それを完全に妨げる事は困難でした。
 ■断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 拡大写真 

 ■断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 拡大写真 

ではこれをどうやって解消するか、ズバリ「換気」です。これも前回書いた通りです。
無風の車内に風の気配を感じるほどです。
日陰に停めたり、「窓を開ける」って、誰でも知っている事ですね。
太陽が沈んでいる時は、新たに熱せられない為車内温度上昇は無く、換気を行う事で外気温とほぼ同じになります。
標高のある場所では涼しく感じられるほどです。

ところが問題は、運転して来て間もない時間帯です。
なんと最大の熱源は、自分自身なんです。
つまり、腹下にある何百キログラムもある「駆動系」即ち「エンジン・ミッション、排気装置」などの他、ボディ自体もかなり熱くなっています。
エンジン停止から1〜2時間程度では全く冷めないので、車内をその内部からずーっと温めてしまうのです。
よく言う「床下からの冷え込み対策」は、実はエンジン系の熱の伝わりを低減する事に対して効果があるのですね。「床下からの熱の削減対策」
これが、2番目の勘違いです。
 ■断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 拡大写真 

 ■断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 拡大写真 

つまり、熱の伝わりを考える時、その「方向」すなわち「出難く」するのか「入り難く」するのが重要であるという事です。
弊社では、幾つかの断熱材を採用しております。
その採用不採用は、「コスト対効果」「普遍性」などを考慮にします。
それは、宇宙に飛び出していくロケット工学にも応用されているような技術から、昔から利用されていた「技術」とは呼ばないような事までが対象になります。
また、「車」でありさらに「キャンピングカー」であるなどの特殊性も考慮に入れる必要があります。
そして先ほどの「勘違い」のような、「方向性」の事もです。
 ■断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 拡大写真 

 ■断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い 拡大写真 

三つある熱の伝わり方に対する断熱処理効果は、明らかな方向性のあるものが含まれているのです。
「放射(輻射)」を削減するには「反射」がありますが、これには強い方向性があります。
また、「伝導」と「比熱」は混同しやすいものです。
「伝わりにくさ」には、時間軸があるという事です。
いやあ、なんだか全く難しいです。
感覚的にちょうど良いのは、だいたい当たっていました、ほっと。
これからも、益々実験を含め確認をとりながら、より良い車内環境を目指します!
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2015年05月08日
断熱にこだわり過ぎて犯す勘違い
(前回からの続きです。)

だんだん際どいタイトルになってきました。
「断熱処理」を謳い文句にしている弊社として、こんなタイトルはダメでしょう。
ですが、勘違いを直しましょう。
断熱処理を、バンコンを中心に実験・検討した結果を元に、感覚的なまとめをしてみました。

まず一つ目の勘違いは、断熱効果をひとくくりにしてませんか?
季節が冬と夏では、全く意味合いが違ってくるという事です。
専門誌でも時々ごちゃ混ぜ記事として取り扱い気味ですが、バンコンの場合、一般的にいう「断熱処理」は「寒さ対策」に効果があります。よく「◯◯断熱」とか表示しているものがそれです。(◯◯の中には、「北国」とか「北海道」や「雪国」とかを入れてください。)

ところが、「寒さ対策」だけなら意外と簡単で(すみません)、「FF式燃焼ヒーター」などの設置でほとんど対応が可能です(でも高額ですけどね)。
電源確保できない場所などにおいてエンジン停止して「暖を取る必要のある寒冷期(真冬とか)に車中泊する」には、ほぼ「必需品」的装備です。
そうなると「断熱処理の効果」は、その「ヒーターの要・不要」ではなく、「ヒーターの強弱・燃焼の大小」の為なのですよ。あれ、そうなんですか、、、。


そして、夏の暑さ対策です。
前回も書きましたが、これはかなり大変で、簡単ではありません。
何故なら「冷房(クーラー)」は、大きな電気エネルギーを必要とするからです。
冷却している場合の「断熱処理の効果」ですが、その冷房能力の「効き具合」に大きく影響します。
一方「強制冷却」をしていない場合、「断熱処理」は車内を熱する太陽熱の削減の働きをしますが、でも「熱線」は少しづつ車内に到達してしまうので、結局車内温度は段々上がっていきます。
その結果ある時点で「断熱処理」が「保温効果」となってしまい、締め切った車内は「他より暑い事」になってしまいます。
弊社では、実車による何度かの温度測定をした結果からも、それを完全に妨げる事は困難でした。






ではこれをどうやって解消するか、ズバリ「換気」です。これも前回書いた通りです。
無風の車内に風の気配を感じるほどです。
日陰に停めたり、「窓を開ける」って、誰でも知っている事ですね。
太陽が沈んでいる時は、新たに熱せられない為車内温度上昇は無く、換気を行う事で外気温とほぼ同じになります。
標高のある場所では涼しく感じられるほどです。

ところが問題は、運転して来て間もない時間帯です。
なんと最大の熱源は、自分自身なんです。
つまり、腹下にある何百キログラムもある「駆動系」即ち「エンジン・ミッション、排気装置」などの他、ボディ自体もかなり熱くなっています。
エンジン停止から1〜2時間程度では全く冷めないので、車内をその内部からずーっと温めてしまうのです。
よく言う「床下からの冷え込み対策」は、実はエンジン系の熱の伝わりを低減する事に対して効果があるのですね。「床下からの熱の削減対策」
これが、2番目の勘違いです。




つまり、熱の伝わりを考える時、その「方向」すなわち「出難く」するのか「入り難く」するのが重要であるという事です。
弊社では、幾つかの断熱材を採用しております。
その採用不採用は、「コスト対効果」「普遍性」などを考慮にします。
それは、宇宙に飛び出していくロケット工学にも応用されているような技術から、昔から利用されていた「技術」とは呼ばないような事までが対象になります。
また、「車」でありさらに「キャンピングカー」であるなどの特殊性も考慮に入れる必要があります。
そして先ほどの「勘違い」のような、「方向性」の事もです。



三つある熱の伝わり方に対する断熱処理効果は、明らかな方向性のあるものが含まれているのです。
「放射(輻射)」を削減するには「反射」がありますが、これには強い方向性があります。
また、「伝導」と「比熱」は混同しやすいものです。
「伝わりにくさ」には、時間軸があるという事です。



いやあ、なんだか全く難しいです。
感覚的にちょうど良いのは、だいたい当たっていました、ほっと。
これからも、益々実験を含め確認をとりながら、より良い車内環境を目指します!

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